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家のこと(新築)
2021.12.06. MON
「パッシブデザイン」の家づくり

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パッシブデザインとは?

パッシブデザインとは、風や太陽光といった自然のエネルギーを活用して、極力機械に頼らずに快適な生活がおくれるよう工夫した設計手法のこと。
パッシブとは、英語でPassive=受動的という意味を表します。
つまり、自然のエネルギーを受け、それをうまく利用した家づくりをしたのが「パッシブデザインの家」です。
具体的に言うと…
◎自然の風を取り入れて、夏を涼しく快適に暮らせるようにする
◎太陽光を取り入れて室内を明るくし、電気代を節約する
などの工夫がされます。
自然の力を味方につけることで、電力に頼り過ぎない生活を送ることができるというわけですね。
そんな「パッシブデザイン」の家づくりには、おさえておきたい5つのポイントがあります。
①自然風利用
②日射遮蔽
③断熱
④昼光利用
⑤日射熱利用
これらが実際にどのような効果をもたらすのか?どのような工夫がなされているのか?詳しくご紹介しましょう。
パッシブデザインの家づくり①「自然風の利用」

パッシブデザインの家づくりは、風の通り道を上手く作ることで、心地よい風を家に取り入れることが可能。
家の中を風が吹き抜けていくので、換気の役割もしっかり果たしてくれます。
これにより、エアコンや除湿器に頼り過ぎない暮らしを送ることができ、電気代の節約に。
また、自然の風がフワーッと入ってくると、風を肌で感じられ、心のリフレッシュにもつながりますよね。
エアコンの強すぎる風が気になる人こそ、このような自然風を利用する家づくりがおすすめです。
風の通り道をつくる工夫
風通しのよい家をつくるポイントは以下の3つをおさえておきましょう。
・窓に高低差をつける
・窓を対角線上につくる
・北側と南側に窓をつくる
周辺の住環境にもよりますが、風の出入り口をつくってあげることで、空気が循環しやすくなります。
窓の配置を工夫するだけで、風通しのよい快適な家づくりをすることができるんですよ。
このほかにも「ウィンドキャッチャー」と呼ばれる風を取り込む仕組みを取り入れるのもおすすめです。
パッシブデザインの家づくり②「日射遮蔽」

夏の強い日射しが窓から室内に入り込むと、それだけで気温が上昇し、暑く感じてしまうもの。
しかし、冬は日射しを取り入れることでポカポカ気持ちよく暮らせるというメリットもあるため、日射しとどう付き合うかが問題となりますよね。
パッシブデザインの家づくりでは、窓周りを工夫することで、太陽光を上手く活用し、一年中快適な暮らしを実現します。
その1つが庇(ひさし)の設置。
大きな庇を南側の窓に設置すると、夏の強い日射しを遮る効果が期待できます。
では日射しの温かさが欲しい冬はどうでしょうか。
実は冬の日射しは、夏と比べて角度が浅いため、庇があっても室内に太陽光を取り込むことができるんです。
「夏は日射しを遮り、冬は日射しを取り入れて快適に暮らす」
これがパッシブデザインの家づくりという訳ですね。
その他日射制御の工夫
ほかにも以下の様な日射しを遮る工夫もあります。
・植樹によって直射日光を遮る
・西日は垂直方向の庇を設けて遮る
・シェードやすだれなどを活用する
など。様々な工夫で日射制御をすることができますよ。
パッシブデザインの家づくり③「断熱」

断熱性能を高くすることで、外気の温度に左右されにくい家づくりをするのもパッシブデザインの1つ。
高断熱の家は、少ない熱で室内を暖めることができるだけでなく、お部屋によって温度差が生じにくいのがメリットです。
家庭内で温度差が生じると、ヒートショック現象を引き起こす原因にもなります。ヒートショックでの死亡率は、交通事故よりも多いと言われていますので、部屋と部屋の温度差をつくらない家づくりをすることが重要です。
それには、断熱性能を高めることが大切。
外断熱だけでなく、内断熱を入れたり断熱性能の高い無垢材などを使用したりして、快適な室内環境をつくるのもパッシブデザインの家の魅力と言えるでしょう。
パッシブデザインの家づくり④「昼光利用」

パッシブデザインの家づくりの特徴でもある「吹き抜け」。
吹き抜けは、風を通しやすくするだけでなく、昼光を取り入れるのに効果的です。
天気の良い日は、お日様の力で電気を点けなくても明るい室内に。
自然の光は、気持ちも明るくしてくれるので、省エネだけでなく心の健康を保つという意味でもおすすめですよ。
吹き抜けは、デザイン性にも優れているので、近年とても人気があります。
パッシブデザインの家づくり⑤「日射熱利用」

夏の日射しは、室内の気温を上昇させてしまうので遮ることが大切ですが、冬は逆に日射しを室内に取り入れてポカポカと快適にする必要がありますよね。
パッシブデザインの家づくりでは、日中に受けた日射熱を開口部から取り込み、蓄えた熱を夜間に「暖房代わり」として活用することもできるんです。
ただし、これには家そのものの立地条件が関係してきます。
冬でも日射しが入りやすい土地を選ぶというのも欠かせませんね。
パッシブデザインの家で一年中快適な暮らしを実現しよう

パッシブデザインの家というのは今回ご紹介したように、自然の恵みを最大限に活用した住宅のこと。
省エネ効果が高いため、地球環境にやさしく、光熱費の節約にもなります。
また、一年中快適な温度・湿度で暮らすことができると、家族みんなの健康維持にもつながっていくでしょう。
光熱費だけでなく医療費の削減にもつながりそうですね。
私たち無添加計画では、このようなパッシブデザインの家づくりをおすすめしています。
家で過ごす時間が増えたからこそ、快適な環境でありたいもの。
太陽光を味方につけ、家計にも地球環境にもやさしいパッシブデザインの家づくりをぜひ検討してみてください。
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