そもそも断熱材とは

調湿する内断熱材「セルローズファイバー」

断熱材には2種類あり、外断熱と内断熱があります。

外断熱とは、柱の外側に断熱材を入れること。

内断熱とは、柱の内側に断熱材を入れることです。

 

どちらも、外からの暑さ・寒さを遮る効果があります。

断熱材がしっかり入ったお家は、外気温に左右されにくいので、一年中室内の温度を一定に保つことができるのがメリット。

これによってエアコンや暖房に頼り過ぎない生活を送ることができるため、家計の負担を抑えるということもできるのです。

内断熱材の種類

今回ご紹介するのは内断熱材についてです。

内断熱材には、以下の様な種類があります。

 

◎繊維、鉱物系(グラスウールやロックウールなど)

◎天然素材系(コルクやセルローズファイバーなど)

◎石油、発泡プラスチック系(硬化ウレタンフォーム、ポリスチレンフォームなど)

 

それぞれ特徴がありますが、今回は私たち無添加計画で推奨している「セルローズファイバー」についてご紹介します。

断熱材「セルローズファイバー」とは?

調湿する内断熱材「セルローズファイバー」

セルローズファイバーとは、天然繊維(パルプ)が主な原料である断熱材のこと。

新聞紙などを再利用してつくられており、自然由来なので安心して使えるというのが魅力です。

セルローズファイバーの主な特徴6つ

調湿する内断熱材「セルローズファイバー」

家づくりに欠かせない断熱材。

数ある断熱材のなかで、どれを使うかによっても、家の断熱性能が変わると言われています。

現在、アメリカの住宅でよく使われているセルローズファイバーですが、一体どんな特徴があるのでしょうか

① 断熱効果の高さ

セルローズファイバーの熱伝導率は0.04。

一般的に日本で使われているグラスウールと熱伝導率だけで言えばさほど違いがありません。

しかし、隙間なく施工できるという点において、セルローズファイバーの方が上回るため、結果的に高い断熱性を得ることができます。

この隙間ができる・できない、の差が生じる理由は「施工精度」にあります。

グラスウールは現場で切断しながら施工するため、隙間や歪みなく埋めるのが大変難しいのですが、セルローズファイバーは、細かい天然繊維を吹き込み施工するので、壁の中にぎっしりと隙間なく埋め込むことが可能です。

これにより、安定した高い断熱効果が得られるというわけです。

 

 

② 調湿性の高さ

セルローズファイバーは、「呼吸する断熱材」と呼ばれるほど、非常に調湿性が高いのが特徴です。

湿度が高いときは、湿気を吸い、湿度が低いときは、水分を吐き出してくれます。

こうすることで、お部屋の中の湿度は一定化。

余分な湿気を吸ってくれるので、結露が起こりにくくなり、カビやダニの発生を防ぐこともできます。

もちろん、冬の乾いた空気からも室内を守ってくれるので、一年中快適に過ごすことができるんですよ。

③ 防音効果の高さ

調湿する内断熱材「セルローズファイバー」

セルローズファイバーは、隙間なく断熱材を入れることができるため、高い防音効果が得られるのも1つの特徴です。

屋外の騒音に悩まされる心配もなければ、室内の音が外に漏れ出る心配もありません。

ペットを飼っているご家庭や元気な子どものいるご家庭など、防音遮音効果が高いというのは嬉しいでしょう。

【断熱材別】防音効果測定実験 動画
※アラーム音が鳴ります。音量にご注意ください。

④ 防虫効果の高さ

セルローズファイバーには、害虫を防ぐ「防虫効果」も期待できます。

これは他の断熱材にはない、セルローズファイバーならではの特徴です。

なぜセルローズファイバーは、防虫効果が高いのか?というと、それはセルローズファイバーに含まれている「ホウ酸」にあります。

セルローズファイバーには、よくゴキブリ駆除に使用される「ホウ酸団子」と同じ成分が配合されているのです。

ゴキブリに有効と聞くと、「ホウ酸」=有害なのでは?と心配になる方も多いと思いますが、実は、私たちの身近なものには、よくホウ酸が使われています。

たとえば、目薬や化粧品などもその1つ。

もし私たち人間がホウ酸を摂取したとしても、腎臓でろ過され、尿として排出されるため、私たちのように腎臓を持つ哺乳類には無害とされています。

 

一方、ゴキブリやシロアリといった腎臓を持たない害虫には有効なので、ホウ酸を含むセルローズファイバーは、ゴキブリやシロアリと言った害虫予防にも効果を発揮してくれるんですよ。

⑤ 防火性の高さ

調湿する内断熱材「セルローズファイバー」

木造住宅において、害虫駆除も気になりますが、防火性も高いことに越したことはないでしょう。

セルローズファイバーには、難燃効果のあるホウ酸が含まれているため、高い防火性能があります。

断熱材が燃えるような火事が起きても、表面が炭化することはあっても、他に燃え広がるようなことはありません。

このホウ酸の難燃効果が減少するまでには、300年以上ものかかると言われていますので、まず安心と言えるでしょう。

 

加えて、セルローズファイバーの方が断熱材の密度が高いため、酸素が入りにくく、火が燃え広がるリスクも低いため、万が一の火事でも、逃げる時間を稼いでくれるだけでなく、被害を最小限にとどめることができるというメリットがあります。

⑥ 地球環境に配慮した素材かどうか

グラスウールなどの鉱物系断熱材に比べ、セルローズファイバーは、生産時の製造エネルギーが少ないというのも大きな違いと言えるでしょう。

また、セルローズファイバーは新聞紙などの「古紙」が原料なので、資源をリサイクルするという意味でも地球に配慮した断熱材であると言えますね。

家づくりには断熱材選びも重要!

調湿する内断熱材「セルローズファイバー」

家の断熱性能を高めるためには、今回ご紹介したように、使用する断熱材についてよく知ることが大切です。

「安いから」という理由だけで断熱材を選んでしまうと、結果として家の性能が落ち、せっかく建てたのにカビやダニに悩まされたり、寒さ・暑さに悩まされたりしてしまいます。

より良い家づくりをしたいのであれば、断熱材にもこだわることが重要なのです。

 

私たち無添加計画の家づくりでは、内断熱材にセルローズファイバーを使うことをおすすめしています。

しかも、セルローズファイバーのなかでも特に安全性の高い「InCide PC」という製品を使い、住む人の健康も考えています。

家族の健康はもちろん、家の寿命にも影響する断熱材。

そう何度も繰り返し建てることのできない家ですから、間取りや外観だけでなく、このような断熱材にこだわって家づくりをすることが必要ですね。

皆さんも、家づくりの際には、断熱材についてよく比較検討し、後悔のない家づくりをしてください。