省エネ、断熱、創エネの「ZEH住宅」

ZEH住宅では、省エネ効果の高い設備を導入することで、一次エネルギー消費量を20％以上削減することが求められます。

この省エネ効果の高い設備というのは…

・HEMS（家庭内のエネルギー消費や創エネを管理、コントロールして効率化を図るシステム）

・エコキュートなどの高効率な給湯機システム

・省エネ家電（エアコンや冷蔵庫など）

・LED照明

などのこと。

これらを取り入れることで、一次エネルギー消費量を抑えるだけでなく、設備性能が高くなることで、より快適な暮らしを実現することができるというわけです。

LED照明や省エネ家電などは、意外と使っているご家庭も多いですよね。

ZEH住宅では断熱性能を高めた家づくりも必須項目です。

具体的に言うと、

・外気温に左右されにくい高性能な断熱材を取り入れる

・結露しにくいサッシや窓の取付

などの工夫が必要となります。

なぜなら、断熱性能が高い家であれば、外気温に左右されにくいため、冷暖房に頼り過ぎない生活を送ることができるからです。

冷暖房設備を使わない＝一次エネルギー消費量を削減するということにつながります。

創エネとは、エネルギーを創り出すということ。

ZEH住宅における創エネとは、主に、太陽光発電システムを導入し、電力を自家発電することで、家庭で使用する一次エネルギーを極力少なくしよう試みです。

太陽光発電システムだけでなく、蓄電池を併用すれば、災害時にもある程度不自由なく暮らすことができるので、今とても注目度の高いシステムなんですよ。

太陽光発電システムは、意外と高価でメンテナンス費用もかかるイメージがありますが、現在では購入ではなくリース契約が主流になってきているので、以前よりも導入しやすくなっています。

ZEH住宅は、先にご紹介したとおり、断熱性に優れているので、年間通して快適な生活を送ることができます。

暑い夏も、遮熱・断熱をしっかり施した室内であれば、室内温度が上昇しすぎることがありません。

逆に寒い冬は、外の冷気が室内に伝わりにくいというメリットがあります。

これにより、必要以上に暖房器具を使わなくても過ごしやすい室温を保つことができるのです。

前述したように、ZEH住宅は、断熱性能が高いため、外気温に左右されにくい家になります。

すると、必然的に冷暖房に頼り過ぎないため、年間の電気代を削減することができるのです。

月々の電気代というのは、4人家族の世帯では平均約14万円/年（2020年総務省統計）と言われていますので、少しでも抑えることができれば、家計の負担を減らすことができるでしょう。

特に、猛暑・酷暑と言われる日本の夏は、電気代の割合のほとんどが「エアコン」によるものだと言われていますから、いかに電気代を節約できるか？というのは大きな問題かもしれませんね。

寒い脱衣室から熱いお風呂に入るなど、急激な温度の変化によって起こる「ヒートショック」。

ヒートショックによって命を落とす人は、交通事故で亡くなる人のおよそ2倍と言われているほど、意外と身近な問題なのです。

このヒートショックが起こる原因は、部屋と部屋との温度差が関係しています。

日当たりも良く、暖房で温められたリビングから、日当たりの悪い寒い廊下やトイレへ移動すると、急激に温度が変化しますよね。

これにより、血圧が急上昇。

心臓に負担がかかり、心疾患を引き起こしたり、転倒によって大きなケガをしたりする事故も多いと言います。

ZEH住宅であれば、断熱性能が高いため、ヒートショックが起こるような部屋と部屋との温度差が生じません。

人生100年時代と言われている今だからこそ、家族みんなが健康に長生きできる家づくりというのが重要であると言えるでしょう。

ZEH住宅では、エネルギーを自給自足します。

これは、普段の生活において、光熱費を節約することにもつながりますが、万が一の災害時にも役立てることができるのです。

たとえば、東日本大震災のときに起こった大規模停電。

電力不足によって行われた「計画停電」などもありましたよね。

日本では、このような大災害がいつどこで起こるか分かりませんから、日ごろの備えが重要なのです。

ZEH住宅における太陽光発電システムもその1つ。

蓄電池と併用することで、地震や台風などの災害時であっても電気を使用することができます。

家族の安心・安全を思えば、大きなメリットと言えるでしょう。

ZEH住宅は、BELS（ベルス）において、★4～5つを取得することができるので、資産価値が上がることもあります。

BELSとは、建築物省エネルギー性能表示制度と言われるもので、住宅の資産価値を評価表示する制度です。

もし仮に、住宅を手放すことになったとしても、BELSによって分かりやすく資産価値が示されれば、高値で売却することができるかもしれません。

ZEH住宅として認められるためには、先述したように様々な設備を導入しなければなりません。

そのため、一般的な家よりもコストがかかることがあります。

しかし、そうは言っても長い目でみれば、光熱費を削減できたり、家族が健康になることで医療費の節約になったりするので、どちらが本当にお得であるかは、よく考えたうえで導入を検討しましょう。

ZEH住宅を新築またはリフォームした場合、補助金が受けられる制度があります。

ただし、補助金で受けられる額が毎年変更になるため、思っていたよりも実際受け取れる金額が少なかった…ということもあり得ます。

建築時には、補助金額についても確認しておきましょう。